ワクチン接種後も年に1回は子宮がん検診を
平成25年4月から定期接種になりました。
子宮頚がんは、日本では年間約8,500人の女性が発症し、うち約2,500人が死亡しています。
子宮頚がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)という発癌性のウイルスの感染によって発症します。通常はHPVの感染が起こっても、皮膚の新陳代謝で感染した細胞は自然に排出されていきます。ごく一部の場合、発がん性の高いHPVに感染した細胞が排出されずに子宮頸部にとどまって、数年~数十年かけてHPVの感染細胞が変形してがん細胞となり発症します。
子宮頸がんはワクチンによって予防することができる唯一のがんです。子宮頚がんワクチンは、国内および国外で子宮頚がん患者から最も多く検出されるHPV16型と18型に対して有効な成分を含んでいて、子宮頚がんの発症を約70%減少できるといわれています。
現在、日本ではサーバリックスとガーダシルの2種類のワクチンが導入されています。
いずれも半年間に3回接種して免疫をつけます。
サーバリックスは10歳以上の女性に、通常、0、1、6ヵ月後に計3回、上腕の三角筋部に筋肉注射します。
ガーダシルは9歳以上の女性に、通常、0,2,6ヵ月後に計3回、上腕の三角筋部に筋肉注射します。いずれのワクチンも、副反応として接種部位の疼痛、発赤、腫脹が高率(80~90%)にみられます。なお、定期接種としての対象者は、いずれも小学校6年生から高校1年生に相当する年齢の女性です。それ以外の方は任意接種となります。
ワクチンによって全ての子宮頚がんが予防できるわけではありませんが、子宮頚がん検診と併用することによってはじめてほぼ100%近い子宮頸がんの予防が可能になります。
残念ながら、日本では20代の子宮がんの検診率が、アメリカ約90%、イギリス80%など日本以外の先進国と比較して、22%と極めて低いのが現状です。必ず年に1回は子宮がんの検診も受けるようにしてください。